裁判例
世間の注目の的となった、マクドナルド店長裁判ですが、この裁判で示された判断基準は、これまでの裁判で繰り返ししめされてきた基準を、サイド示した者であり、決して初めてというものではありません。
それでは、今までの過去の裁判では、「管理監督者」についてどのような判断をしているのでしょうか?
管理監督者として認められたケース
姪浜タクシー事件(福岡地裁 平成19年4月26日判決)
管理監督者として時間外手当は、深夜割増賃金に限られると判断された事案。
事件の概要
原告は平成6年10月1日にタクシー乗務員として被告に雇用され、平成12年1月に営業次長に昇進し、平成16年9月30日に定年退職した。原告は4週6休制で、出勤日には少なくとも10時間の労働を行っていました。また、月1回の割で、午後10時以降の街頭指導業務を行っていましたが、時間外手当は支払われていませんでした。 これに対し、原告は、深夜割増を含む時間外手当の支給を求めたという事件です。
判決要旨
原告は営業次長として、終業点呼などを通して、多数の乗務員を直接に指導する立場にあり、乗務員の募集についても面接に携わり、採否に重要な役割を果たしていました。また、他の従業員に比べ役職手当も含め高額の報償を得ていたことや、取締役などが出席する経営協議会のメンバーであったことなどを総合的に判断すると原告はいわゆる管理監督者に該当すると認められ、原告が請求できる時間外手当は、深夜割増賃金に限られるとする判決が出ました。
管理監督者として認められなかったケース
ナオタ情報通信事件(大阪地裁 平成19年12月3日判決)
肩書きは営業部長でも、労務管理や人事評価を行ったり、重要な経営判断に関する権限を与えられていなかったとされた事案。
事件の概要
原告は本人を含めて正社員は4人で、営業は社長と原告だけで部下はいなかった。原告の部長としての営業活動は取引先との顔つなぎ程度であり、経営上重要な営業活動や決定を自らの判断で行うだけの権限は与えられていなかった。 原告には雇用契約に勤務時間と休日の定めがあり、タイムカードを打刻し日報を社長に提出していた。
判決要旨
会社は定年を超える年齢だから管理監督者でなければ得られない賃金だと主張しましたが、管理職手当は6万円にすぎず時間外の対価として見合うものではないとされました。
また、平成16年5月から17年8月まで時間外・休日労働をしたことはタイムカード等で明らかであり、管理監督者とは認められないため、時間外賃金と有給休暇申請分の給料に、 賃確法に基づく年14.6%の遅延損害金を加え、支払いを認定するのが相当であるとされました。




