適格退職年金問題の本質とは?
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適格退職年金問題というと、廃止されるからどの制度に移行するか、という話が先行しています。しかし問題の本質は別のところにあります。現状に合わない退職金制度をどうするか、積立不足をどのように解消するか、という問題です。
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適格退職年金は退職金制度の一つとして長期勤続奨励策、定年までの引きとめ策として機能してきました。しかし、雇用の流動化、転職市場の活発化により、長期雇用を前提とする本来の退職金の目的を果たせなくなってきました。
つまり、人事制度として現状に合わなくなっているのです。具体的には以下の問題が存在します。
(1)基本給によって計算される退職金
(基本給)×(支給率)で退職金の金額を決めているケースが多く見られます。この方式だと退職金の金額が予想できません。何故なら、基本給が将来どうなるかわからないからです。
退職金の金額が予想できないと、もちろん準備(積立)も難しくなります。
(2)長期勤続優遇の問題
基本給連動型も含め、ほとんどの適格退職年金制度では勤続年数に比例して退職金の金額が増える方式になっています。つまり長期勤続者を優遇しています。
一方、現在の人事制度は能力や成果、会社への貢献度を重視する方向に変わりつつあります。
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(1)積立不足の発生
ここ数年にかけて適格退職年金の資産運用成績が悪化し、マイナスの運用利回りとなっています。本来は5.5%で運用することになっているので、予定通りに積立金が増やせず、
大幅な積立不足となっています。よく勘違いされることがありますが、適格退職年金制度の設計で使われる年5.5%という利率はあくまでも予定であり、運用を保証するものでは
ありません。ここに適格退職年金の落とし穴があります。
また、適格年金の財政決算報告書も5.5%で運用することを前提に必要な積立額を計算しています。そこで表面に現れない隠れ借金が発生しています。
(2)支給水準の見直し
多大な額の積立不足があるからと言って決められている退職金を払わない、ということはできません。適格退職年金を導入した際に定めた退職年金規程があるからです。
この問題を解決するには、積立手段である適格退職年金を別の積立手段に移すだけでなく、退職金制度そのものを改革し、支給水準の見直しが必要です。
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